漢方で*赤ちゃん迎える院長blog

頭痛・生理痛・便秘を改善し妊娠しやすい母体へ ― 1

日々の診察のなかで思うのは、不妊症の患者さんには、頭痛、生理痛、便秘を訴える患者さんが実に多いということです。婦人科系の三大症状といえばこの三つになると思います。漢方的にいえば、その病態とは診察の時にいつも話している冷え瘀血水毒です。

本来、漢方の治療では、冷えている体には体を温める薬を投与し、熱している体には体を冷やす薬を投与して身体の体温バランスを整えます。水毒で水の溢れた体には、水気をさばく利水剤を投与し身体の水分バランスを調節します。また、乾燥した体には水分を巡らす薬を投与し身体を潤します。

また、瘀血の廻っている体には、駆瘀血剤を投与してドロドロ血液をサラサラにして身体の血液を綺麗にします。以上なような薬を投与することにより、身体の様々なバランスを整え自分の身体に本来備わっている自然治癒力を高め、様々な症状や病気に打ち勝つ身体にすることが漢方治療の目的だと考えています。

女性は男性に比べ、骨格や筋肉の量、及び体脂肪の関係で体が冷え易く、生理の関係で瘀血が溜まり易い傾向にあります。特に女性は冷えと瘀血が絡み、より水毒が強く表れる傾向にあります。痛みは、本来身体の黄色信号です。

頭痛も生理痛も、ある面では身体の注意信号です。身体の歪みが痛みを生み出す原因として、やはり冷えが最大の原因と考えられます。冷えると血管が緊張し収縮します。そのため組織への血流が減少し、痛みを生み出すこととなります。酷い生理痛もホカロンで暖めて痛みの改善を得られた経験を持つ人が多いと思います。また、逆に夏のクーラーで冷えて、頭痛が酷くなった経験を持つ人も多いと思います。真冬のような状態に陥り氷ついた身体を、漢方薬で温めて氷を溶かすことが痛みの改善につながります。

次回は便秘の話
key-wordは『温下剤(おんげざい)』です。