先月は、「未病と不妊&アンチエイジング」について書いてきましたが、ブログを読んだ患者さんから診察の折に、『更年期障害も未病なのですか??』と質問を受けました。
考えてみると、確かに・・・
更年期障害も『未病』の一つの状態といえます。そこで更年期障害について少し説明したいと思います。
前回、健康・妊娠・妊活の秘訣は、「気・血・水」の流れのバランスを良くし、『未病』状態を改善することが大切だと書きました。今回のテーマの更年期障害とは、閉経によりホルモンのバランス環境が大きく変化し、この「気・血・水」の流れのバランスが大きく乱されることにより現れる肉体的・精神的な症候群です。
また、更年期症状は、閉経時期に限ったことではなく、何らかの影響でホルモン環境が変化した時に現れやすく、たとえば出産後や授乳期のマタニティブルー、初潮の頃の若年性更年期障害、女性の本厄前後のプレプレ更年期、30代から40代の節目のプレ更年期、歳を取ってから現れる老年期の更年期障害(逆に若い証拠かも知れませんが┅)と、女性の様々な年代や局面で見られる症状です。
瘀血が関係する場合は、PMS(生理前症候群)のように生理前に現れる場合や、不妊治療時のホルモン剤投与、子宮内膜症の治療でホルモン剤により生理を止めた場合など、子宮・卵巣に無理な負担をかけた時にも更年期様症状が現れたりします。そのような場合、漢方では更年期障害で有名な『加味逍遙散(かみしょうようさん)』を使います。
加味逍遙散は、冷え性、虚弱体質、月経困難、更年期障害、血の道症などに処方される漢方薬です。昔から婦人の不定愁訴症候群や更年期障害によく用いられてきましたが、女性に限らず、同様の症状を訴える男性にも用いられます。
男性にも更年期障害はあります。実は、私自身も過去に更年期症状で辛い思いをした経験があります。更年期症状の代表格の“ホットフラッシュ”です。最初は自分では更年期の症状だとは気が付きませんでした。確かに今になって考えてみると、症状が出たのは、40代から50代の大きな節目の歳でした。(男性更年期、そう多くはないと思いますが、たまにクラス会や同窓会で話題になります。)
以前本を読んでいましたら、「更年期症状が襲って来る」と表現されていましたが、正にその通りだと実感しました。
次回は、具体的にその時の症状を書きたいと思います。