更年期障害~隠れ我慢症候群ー1

更年期障害とは~隠れ我慢症候群ともいえる

更年期障害は、閉経により生理が止まり、今までの体内のホルモン環境が一挙に変化することで引き起こされる気・血・水の乱れた状態です。そして、それに伴う脳の混乱状とえます。自然な流れの中での体の一つの変化ともいえます。

漢方の考えでは 気・血・水の流れを大事にします。この気・血・水の流れが体内を順調に巡っていれば健康を保て、流れが滞ると病気に陥ると考えます。「気」は自律神経、メンタル、心の問題。「血」は血液の流れや瘀血。「水」は冷えやむくみ及び水毒です。更年期障害は、閉経により気・血・水が流れが大きく乱されることにより生じる症状なのです。

暫くして、生理のない体の環境を脳が察知すると、脳は体をその環境に順応させようと無駄な指令を送らなくなり、更年期症状も自然に落ち着いてきます。そのような意味では更年期障害を必要以上に身構えて恐れることはなく、上手に付き合っていくことが大切になります。

更年期障害にはさまざまなステージがある

図のように、更年期症状は、閉経時期に限ったことではなく、年齢などの影響でホルモン環境が変化した時にあらわれやすい症状です。たとえば出産後や授乳期のマタニティブルー、初潮の頃の若年性更年期障害、30代前半の女性の本厄の頃のプレプレ更年期。30代から40代の節目の年代のプレ更年期。そして、50歳前後の閉経の本来の更年期。また歳を取ってから現れる老年期の更年期症状と、女性の様々な年齢や年代の局面でみられる症状です。

 人生100年時代と言われています。生理は一回で80~100ml、年間ではほぼ1Lの血液が失われます。人の血液量は体全体で約4Lあります。その1/4が失われそのままで生命維持ができないので、造血機能が働き血液量を保って生命を維持します。生理中はこの造血機能がフル回転し体力が消耗します。

この体力40代までは保てますが、50代以降を徐々に保てなくなります。50歳以降も元気に健やかに生きていくためにも、人生の半分くらいで閉経にして体力を温存しようとするのです。つまり閉経は、100歳まで生き抜くための体自身の知恵であり、体の防衛反応なのです。そして、この仕組みが作られたのは、産まれる前のお母さんのお腹の中の20週目です。

更年期症状ないに越したことでは有りませんが、脳の混乱が終わればいずれは自然に止むものです。難しいことかも知れませんが、自然の流れとして受け止めることも大切です。

(blog更年期障害ー2参照)