ここ2~3年、患者さんからこの言葉を聞くことが多くなりました。もちろん、その言葉の裏には患者さんの “赤ちゃんは欲しい“ という切実な想いがあることが、診察している私にも伝わってきます。だからこそ最後の望みとして当院に来るのだと思います。
正しく言えば、“妊活はあきらめました┅が、妊娠はあきらめていません“ これが本音なのでしょう。
確かに、患者さんの中には高度生医療を止めて暫くした頃とか、ちょうど何かの都合で高度生殖医療が出来ずに休んでいた頃に、自分達のタイミング合わせだけで自然妊娠する人がいます。
生理は、もともと脳が起こすものです。脳の視床下部・下垂体という部分が卵巣に指令を送り卵子の発育および排卵を促します。その排卵の結果として生理がくるのです。そのために生理は体の様々な影響を受けます。
まずは身長・体重・体脂肪の問題。気候の変化や変動 (今年の夏は曇り☁️雨☔が多く晴れ間☀️が続かず体調不良や生理不順の人が多く見られました)。そして脳が支配している生理ですから特に仕事の疲れやストレスは如実に影響を受けます。また漢方でいえば “冷え” と “瘀血” の問題と様々な体の因子が生理に影響を与えます。だからこそ、生理が健康のバロメーターといわれる由縁がここにあるのです。
ここでもう一度生理の仕組について話を┅。
何故かというと先日のNHKの番組で生理痛には低下用量ピルを使えば良いとの放送がありました。それはそうですが、それではその人の体にとっての根本的な治療もしくは改善にはなっていない。単なる対症療法にしか過ぎないと思いました。
そもそも、ホルモンの分泌は脳の視床下部-垂体系が支配しています。一番の分かり易い事例は、赤ちゃん赤ちゃん👶の吸引刺激です。赤ちゃんが母親のオッパイを吸うと乳首の吸引刺激を脳が探知し、乳汁の分泌を促すプロラクチン(PRL)を作る脳下垂体前葉に指令を送ります。その指令を受け脳下垂体前葉から放出されたプロラクチンが乳房を刺激し乳汁が作られ赤ちゃん赤ちゃん👶の口に届けられる仕組みになっています。
ただ、ここで卵巣から放出される女性ホルモンとの大きな違いは、乳汁分泌が脳下垂体~プロラクチン~乳房~乳汁の直接的な流れなのに対して、女性ホルモンの場合はそう単純な流れではないとうことです。すなわち脳下垂の上位の視床下部の支配を受けています。
以下、このあたりから話が少しややこしいくなります┅
まずは視床下部の神経細胞で作られる放出ホルモン(抑制ホルモン)が脳下垂体前葉に送られ性腺刺激ホルモン(FSH)と黄体ホルモン(LH)を放出、その放出されたホルモンが卵巣に伝わりエストロゲン(女性ホルモン)とプロゲストロン(黄体ホルモン)が分泌される。(よく不妊治療の時に行われる検査がこれです)
このように女性ホルモン系は、下垂体前葉が卵巣に直接ホルモン分泌の指令を送るのでなく、視床下部~下垂体の二重支配・調節(言い換えれば安全装置)の影響下でホルモンの分泌を促しています。すなわち女性ホルモン系は脳で守られている状態~最終的には赤ちゃん👶を生むお母さんの👩体を守るために作らた仕組です。
このように、人間の大事な部分は常に安全装置があります。