[vol.4]黄体機能不全、卵管采ピックアップ障害、瘀血を去り自然妊娠
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初診・出産年齢・服用期間
39歳
40歳
2か月
初診前の状況について
この方は、卵管采のピックアップ障害、黄体機能不全と診断されており、高齢のため高度生殖医療も考えてはいますが、可能ならば漢方で体をつくり自然妊娠がしたいといって来院されました。
診療と診断
身長171cm、体重59kgと大柄でがっちりしたタイプ。月経は周期40~50日でやや不順。腹診すると右瘀血圧痛点を認めます。鼠径部の突っ張りがあり、ガス腹で下腹部はやや硬いですが充実しています。まず瘀血を解消しようと桂枝茯苓丸料を投与しました。あわせて食事に気を付け体重をあと2~3kg減らすように指示しました。
2か月服用後来院、右瘀血圧痛が軽減しており、お腹も少し軟らかくなっています。お腹がやわらかくなり状態が良くなっているので次回は当帰芍薬散料と目標をたてていたところ、妊娠したと電話がありました。その後は順調に経過し、男児を自然分娩にて出産されました。
治療のポイント
この方は、冷えのぼせ、肩こり、生理痛などがあり、右に著明な瘀血圧痛点を認めました。これらをポイントに駆瘀血剤の代表的な薬方である桂枝茯苓丸料を投与しました。服用2ヵ月ほどで、右の瘀血圧痛が軽減され、次回は当帰芍薬散料と目標をたてていたところ、妊娠の報告がありました。瘀血を去ることで、わずか2ヵ月で妊娠へと導いた症例です。
処方した漢方薬
瘀血をとり血流をよくする、代表的な駆瘀血剤です。
下腹部に瘀血の圧痛がみられる場合に。
当診療所では、おひとりおひとりの体質や状態に合わせて、生活習慣や食事、服装などの詳しいアドバイスも行っています。あなたの今の健康状態を丁寧に評価し、それに基づいてオーダーメイドの漢方処方を行います。症状が似ているからといって、市販の漢方薬を安易に服用するのは危険ですのでくれぐれもご注意ください。初診のご予約はオンラインでもお電話でも結構です。お電話でもお気軽にご相談ください。