院長紹介
院長 寺師碩甫
先代である父寺師睦宗が漢方不妊治療を始めてから55年以上、当初医院を開業していた永田町から銀座に移ってからも30年余りの月日が過ぎ、平成26年には当院で漢方不妊治療を行い妊娠した患者数が6000人を超えました。
漢方では、妊娠出産を、本来人間として『調和』のとれた自然の流れと考えます。これまでの治療経験から最近とくに思うのは、『卵子の老化』の問題だけが不妊の原因かということです。大切なことは本来、人間として備わっている自らの生命力を信じることです。目標は、妊娠しやすい子宮・卵巣環境を育て『個々の妊娠力』を高める母体づくりです。当診療所を訪れる多くの方が、子宝に恵まれますように、これからも日々の診療に力を注いでいきたいと思います。
診療方針
(妊娠しやすい軟らかなお腹へ)
漢方は体全体を治す総合医療です。不妊治療もその考えにもとづいてアプローチします。漢方には、問診、望診、聞診、切診(腹診・脈診)の4つの診察方法がありますが、私は、中でも一番大事なのは腹診と考えています。腹診によって得られる情報は不妊治療にはとても有益です。腹診では、お腹のかたさが大切なポイントになります。妊娠しやすいお腹は「ふっくらしたお腹」をしています。お腹の皮膚や筋肉が弾力性に富み「つきたてのお餅」のような軟らかさを持っています。逆に妊娠しにくい人のお腹は緊張感で突っ張って固くなっています。
最近では、当院も高度生殖医療を行っている患者さんが多く来院するようになりました。患者さんが一様に訴えることは、『うまく採卵が出来ない』。『良い卵が取れない』。『何度も受精卵(分割卵・胚盤胞・新鮮胚・凍結卵など…)を戻しても妊娠しない』ということです。いずれの場合も患者さんのお腹を腹診してみると、その多くが「かたいお腹」「突っ張ったお腹」をしています。高度生殖医療をする場合でも、自然妊娠するくらいの「ふっくらお腹」でないと、なかなか良い結果は得られないと思います。妊娠する所は子宮・卵巣ですが、妊娠・出産は体全体で行うものです。だからこそ、妊娠し、出産して赤ちゃんを抱けるための母体作りが大切ということになります。漢方不妊治療では、全身状態を整え、この妊娠しやすい「ふっくらした軟らかなお腹」にすることを目標に治療を進めていきます。
経歴
1983年、東海大学医学部卒
東京逓信病院麻酔科、呼吸器科を経て、
88年から玄和堂診療所勤務。
日本東洋医学会会員。
前院長である父、寺師睦宗の姿を見て育ち、自然に漢方の道へと進む。
趣味 : 写真 特に朝日・夕日・富士山に魅せられる。
著書の紹介
「漢方で赤ちゃんが授かる」
あなた自身の持つ
“生命を宿す力”を信じて
漢方の考え方、日常生活で心掛けること、実際の症例や体験談、この本の中にあなたに役立つヒントがきっとあると思います。医師は治療する立場にありますが、実に多くのことを患者さんから学びます。一組でも多くのご夫婦が子宝に恵まれますよう、心から願ってこの本を執筆しました。